先日、ITIL 4 Foundation資格にチャレンジし、無事に合格しました(正答率92%。40問中37問正解)。勉強する上で非常に参考になった本を紹介します。
どんな本?
ITIL 4 が、ITの運用保守だけでなく実際のビジネスにおいても役立つフレームワークであるということを分かりやすく伝えてくれる良書です。難しい話はできるだけ省き、IT職とは関係のない一般の方がイメージしやすいようなシーンを例にとって解説しています。「ITILっていったい何に役立つの?」という疑問を持っている方には非常におすすめです。
特に取り上げる例題が面白くて、次のようなケースを例にITIL 4 について解説してくれます。
- 八百屋にITILを導入したらどうなる? ~スムージー、始めました~
- 旅館にITILを導入したらどうなる? ~温泉若女将の湯煙奮闘記~
- 喫茶店にITILを導入したらどうなる? ~新米アルバイトの悪戦苦闘~
- メーカーにITILを導入したらどうなる? ~下町おもちゃ工場が一発逆転!~
本書に記載のケースでは、ITIL 4 を実践していく人にっての理想的な姿が描かれているため、学び始めとのギャップを感じるかもしれませんし、「現実世界ではこんなにうまくいくことは稀なのかもしれないなー」なんて思うかもしれません。しかし、ITIL 4 をこれから学んでいくにあたっての適用範囲の大きさ・可能性を感じられる本だと思います。
冒頭の繰り返しにもなりますが、ITIL 4 はビジネスの様々なシーンにおいて適用できるものだということを伝えてくれる、入門書としてわかりやすい本ですので、ぜひお手に取ってみてください!
なぜこの本を選んだのか?
目次に惹かれて手に取りました。資格は、取得する事そのものよりも、その後の実務への適用・応用が大事だと思っているので、ITILを学び始める前に「ITIL 4 を学んだらどういうケースに応用できるのか?」というような疑問に答えてくれる本を探していました。
実際、本書では「○○にITILを導入したらどうなる?」というケースストーリーの中で解説がされていきます。ITILの試験的な知識は別の本で学ぶとして、最初の1冊として非常にお勧めできるものだと思います。
おすすめの個所
ITILで重要な「サービス」について特にわかりやすく解説してくれる Chapter 01 「八百屋にITILを導入したらどうなる?」が特におすすめです。
商店街にある八百屋「やおはち」を営む、八兵衛さんと、その娘である美乃梨さん、そして八百屋を訪れるお客様とのやり取りを通して、「サービス」について解説してくれます。
八兵衛さんが「リンゴを買ってくれたので、もう一山『サービス』」したつもりが、お客様にとっては「食べきれないリンゴの『押し売り』」となってしまうシーンは典型的でわかりやすいです。
システム開発していた私からすると「あーーこれ、良かれと思って提案した機能が全く刺さらなかった事例と似てるーー」と思いながら、読み進められました。本書を読んでいけば、きっとあなたも、過去の経験を思い浮かべながら読むことになると思います!笑
まとめ
ITIL 4 を導入する際の理想的なストーリーを見ておくことは、資格勉強していくなかで「どのシーンに活きてくる話なのか」をイメージできることにつながるので、記憶の定着にもつながりやすいと思います。
特にこれからITIL 4 について勉強を始めようとしている方にはおすすめの良書ですので、お手に取ってみてください。
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