こんにちは。
今回は「所得税ってどうやって計算する?」の2回目です。
前回のおさらい
前回の記事(基礎編)では、国税庁のホームページに記載の所得税の定義を示し、式にしました。
所得税 = 課税所得金額 × 税率
= (所得金額 − 控除額) × 税率
今回の記事では、上記式の「所得(金額)」に関して整理していきます。
年収と所得の違いについて
所得金額の細かな説明に入る前に、まず「年収」と「所得」の違いについて整理しておきます。
年収とは
年収とは、1年間で自分が受け取った報酬の総額です。これは各種税金が引かれる前の金額です。
簡単な例として、給料が毎月25万、ボーナスが夏・冬それぞれ30万もらえるとすると、年収は下記のようになります。
(ちなみに、日本の給与の中央値は370万円らしいので、それに近い年収を例にしました。)
年収金額 = 年間給与額 + 年間賞与額
= (20万円 × 12ヶ月) + (30万円 × 2回)
= 360万円
実際には、給与額も残業次第で月によって変動すると思いますし、会社からのいろいろな手当も含まれてくるので、単純な計算では求められないことが多いと思います。自分のリアルな年収については、会社勤めの方の場合、源泉徴収票の「支払金額」をみればわかります。
いかがでしょうか。年収についてはイメージしやすいのではないでしょうか?
所得とは
続いて、所得についてです。このあたりから少し難しくなってきます。
所得とは、年収から各種控除や必要経費等を差し引いて残った額のことです。住民税や所得税などの税金を計算するときに使われます。
国税庁によると、所得は10種類に分かれます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1300.htm
サラリーマンの場合は、副業などをしていない限り、「所得」といえば「給与所得」となります。
国税庁HPより、給与所得の金額は、年収から給与所得控除額を差し引いて算出します。式にすると次のようになります。
給与所得金額 = 年収金額 – 給与所得控除額
ここまでの内容より、所得税の算出式が次のように分解できます。なお、「控除額」については「給与所得控除額」と「その他の控除額」に分解しました。
所得税 = 課税所得金額 × 税率
= (所得金額 − 控除額) × 税率
= (給与所得金額 − 控除額) × 税率
= {(年収金額 – 給与所得控除額) – その他の控除額} × 税率
まとめ
ここまでの内容をまとめます。
年収と所得の違いについて下記のように整理しました。
- 年収
- 1年間で自分が受け取った報酬の総額
- 各種税金が引かれる前の金額
- 源泉徴収票の「支払金額」
- 所得
- 年収から控除額を差し引いたあとの金額
- 給与所得、不動産取得など、10種類ある
- 給与所得は源泉徴収票に記載の支払金額から、給与所得控除額を引いた金額
また、所得税の算出式が次のように分解できました。
所得税 = 課税所得金額 × 税率
= (所得金額 − 控除額) × 税率
= (給与所得金額 − 控除額) × 税率
= {(年収金額 – 給与所得控除額) – その他の控除額} × 税率
この式のうち、説明ができたのは実は「年収」だけです。「給与所得控除」や「その他の控除」「税率」については次回整理していきます。
なにか誤った説明があればぜひご指摘ください。また、不明点があれば、コメントいただければ補足していこうと思いますのでよろしくおねがいします。
それでは、今日はここまで!
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